葛尾村は、福島県の浜通りに位置する中山間地域です。阿武隈山系に属し、天王山(日山)を筆頭に多くの山々に囲まれています。
2011年3月11日の東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故により、村長が3月14日に全村民に対し避難勧告を出し、その後、5年3か月にわたって全村民が避難を余儀なくされました。2016年6月、一部の帰還困難区域を除き避難指示が解除され、三春町に避難していた役場や医療施設、宿泊施設、商店などが村に戻りました。2022年6月には、帰還困難区域に指定されていた野行地区の一部について避難指示が解除されました。
2018年には村中心部に復興交流館「あぜりあ」がオープンし、地域の人々の憩いの場となっています。
人口
人口1,305人のうち、帰村者は326人。
避難指示解除後に新規転入した人口は162人。
(2023年2月1日現在)
特産品
ふるさとのおふくろフーズ
- 凍み餅(しみもち)
葛尾じゅうねん企業組合
- 「エゴマ油」
一般社団法人葛力創造舎
- 「葛尾甘酒ノマッシェ」、地酒「でれすけ」
ゆるきゃら
葛尾村のイメージキャラクター「しみちゃん」は凍み餅から生まれた精霊の女の子です。葛尾村のみんなに愛されています。
生業
農業、畜産が盛んな地域であり、震災前は農家が270戸、畜産農家は110戸ありました。現在は、長期避難に伴う営農再開への意欲低下や担い手不足、優良農地が汚染土壌等の仮置き場となっていることなどが課題になり、営農再開した戸数は震災前から大きく減少しています。
2018年1月に、かつらお胡蝶蘭合同会社が設立され、胡蝶蘭(ホープホワイト)の苗栽培を開始しました。胡蝶蘭は、東京大田市場などに出荷されています。
2018年6月に愛知県の繊維製造業会社、金泉ニット株式会社が工業団地に新工場を設置しました。無縫製のニット製造工場としては国内最大級の規模です。
葛尾村は現在も工業団地への企業誘致を積極的に行っています。
宿泊施設
村営の宿泊施設「みどりの里せせらぎ荘」が2018年7月に営業を再開しました。地元食堂と連係し、朝食、宴会のサービスも実施しています。
主なイベント
- 4月
- ツール・ド・かつらお
- 5月
- 葛尾村民運動会
- 8月
- 葛尾村盆踊り
- 10月
- ツール・ド・かつらお
- 11月
- かつらお感謝祭
交通
福島交通のバスが葛尾村からJR船引駅までの間を平日5往復、休日3往復運航しています。村内交通については、通学バスを活用して昼間限定のデマンド形式で送迎できるようにしています。
また、通行できない状況が続いていた県道50号(浪江三春線)、国道399号線は、2018年に自由に通行ができるようになりました。なお、県道253号(落合浪江線)はまだ自由に通行できない状況が続いています。
住宅
村中心部に復興公営住宅、定住促進住宅があり、村では空き家・空き地バンク事業を実施しています。現在は住宅が不足している状況であり、村は対策検討チームを設置し、対策に取り組んでいます。
教育
2018年4月より、幼稚園、小学校、中学校が村内で再開されました。「少人数ならではの魅力ある教育」をコンセプトに、様々な取り組みを行っています。
また、2017年から村独自の施策として「みらいこども助成金」を設け、村に住む15歳未満の子ども一人につき月2万円を支給しています。
大学との連携
日本大学工学部、東北大学大学院農学研究科、郡山女子大学・同短期大学部と包括連携協定等を締結しており、各大学が葛尾村をフィールドに、それぞれの研究やプロジェクトの取り組みを進めています。